アラビアン・ナイト
第五話





chapter:Night~捕らえられて





尖った乳首を男の指で上下に動かされる。



オレはただ、腰を揺らすことしかできない。



「さて、俺は下の方に取りかかろうとしようか......」


頭領はそう言うと、オレの腰にあるベルトを抜き取り、パンツを下ろした。




ガシャンッ!

父さんの形見であるジャンビーアが重たい音を立てて地面に落ちた。


「おっ、金がない割に、いいジャンビーアを持ってるじゃねぇか」



頭領はジャンビーアを拾い上げ、テントの隅っこの方へと無造作に投げた。




「っ、なにすっ、いやだっ!! それは父さんの形見だ、返せっ!!」




オレは腰を折り、ジャンビーアを取るために、太腿に力を入れて体を伸ばす。


だけど、オレの手は後ろに縛られていて、当然、投げられたジャンビーアを持つことはできない。


「あとでアレも売り捌(さば)こう」


「返せ、返せよっ!!」


けっして届かないオレの腕――。


それでも、ジャンビーアをあきらめられなかった。


必死に体を伸ばし、なんとかジャンビーアを取り戻そうと身をくねる。


ジャンビーアは、幼くして父親を亡くしてしまったオレにとって、父親代わりになる大切なものだ。


今まで、それがあったからこそ、どんな苦痛も耐えられた。


生きるために盗みをはたらき、多少なりとも王直属の兵士どもとも刃を交えたことだってある。



どんな過酷な状況であっても、ジャンビーアと共に生き抜いてきた。





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