chapter:Meet Again~同衾 「いい、いいぞ。なかなか……っひひ……さあ、たっぷり流してやるから、全部飲めよ?」 「っひ!!」 男の残酷な言葉で、オレの体が恐怖で大きく震えた。 まさにその時――。 「そこまでだ!」 オレを組み敷く男の声よりも、もっとずっと張りのある声が至近距離で聞こえたかと思った瞬間、オレの中にあった圧迫感が消えた。 支えを失ったオレの体は、そのまま砂の山に埋まる。 「抜け荷の一味か? それとも、それを買う、間抜けな金持ちか?」 「ちがうっ! 俺は!!」 「何にせよ、ここがどういうところか、お前は知っているはずだ。そして、この場所で、強姦まがいなことをしているんだ。詳しい話を聞こうか」 「はなせっ、俺を誰だと思っているんだ! 俺はこの国で、もっとも裕福な家柄なんだぞ!!」 遠ざかっていく罵声を放つ、オレを買った男を横目で見ながら、オレは恐怖でいっぱいになった頭をどうにか働かせようと必死になった。 だけど、オレのその思惑も、やって来た兵士の言葉で遮られた。 「ヘサーム様、この小僧はどうしますか?」 ……ヘサームだって? 頭上から落ちてきた兵士の言葉で、オレは絶句した。 『ヘサーム』 その名前は忘れもしない。オレが兵士に追われていた時に助けてくれた人の名だ。 まさか……。 |