アラビアン・ナイト
第六話





chapter:Meet Again~同衾





ゴクンと息を飲み、恐る恐る顔を上げる。


すると見えたのは……。



凛々しい眉に、すっと通った鼻と、薄い唇――。


オレよりも少し細い、輝く目をした、あの男。


見間違いようもなく、そいつはヘサームだった。


ヘサームが、王直属の兵士?


だって、ヘサームは、盗みをはたらくオレを逃がし、それどころか食べ物まで与えてくれたんだ。


兵士なハズがない!!




だけど……。




だけどもし、『助ける』という行為はオレと接近するためだとしたらどうだろう。



オレを逃がすためじゃなく、泳がせていただけだとしたら?


オレが泣いた時、優しく抱きしめてくれた行為も、ただの演技だったとしたら……?




そして、ココで抜け荷があることを知ったのは、オレの後をつけて来たからだったとしたら……。


タイミングの良さもすべて頷(うなず)ける。




それはまるで、突然大きな石で頭をぶつけられたみたいな衝撃だった。



「俺が連れ帰る。いろいろ聞きたいことがあるんだ」



「承知いたしました! おい、王の元へ引き上げるぞ!!」




兵士のひとりが号令を出し、引き上げを命じると、ひとり、またひとりと去っていく。


どうやらヘサームは、かなりの重役に就いている人間らしい。





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