アラビアン・ナイト
第七話





chapter:Refusal~涙の理由





そんなことになったら、いつかは治るかもしれない病が治らなくなる。

それどころか、気負うことによって、もっと重い病にかかるかもしれない。



男に貫かれた孔に意識を向ければ、ほんの少し、痺れるように感じた。





「っふ……っ」



オレをこんなふうにした人買いや金持ちたち。

オレを裏切ったヘサームが憎い。


そして何より、そんな奴らに体を開いた自分自身に腹が立つ。




とてつもない悲しみと憎悪。


それらがオレの中でぶつかり合い、目から涙があふれてくる。




……最悪だ。

男に組み敷かれるなんて!!




いくら媚薬のせいだっていっても、自分から体を開いて相手を欲しがるなんて!!


「……っつ、ぅうっ!!」





父さんの形見であるジャンビーアも……。


男としての立場も……。


全部、失った。




「っひ……っくっ……」



誰もいない憎き兵士の部屋で、オレはベッドのシーツに顔を埋め、声を殺して泣いた。






――その日から、あんなに食い物を求めていたオレの姿が嘘のように、何も口にすることなく、涙を流して過ごす日が続いた。





――翌々日。

オレの元に、新たな刺客が送られてきた。


飲まず食わずがずっと続いたから、さすがのヘサームも焦ったのだろう。





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