chapter:Refusal~涙の理由 そんなことになったら、いつかは治るかもしれない病が治らなくなる。 それどころか、気負うことによって、もっと重い病にかかるかもしれない。 男に貫かれた孔に意識を向ければ、ほんの少し、痺れるように感じた。 「っふ……っ」 オレをこんなふうにした人買いや金持ちたち。 オレを裏切ったヘサームが憎い。 そして何より、そんな奴らに体を開いた自分自身に腹が立つ。 とてつもない悲しみと憎悪。 それらがオレの中でぶつかり合い、目から涙があふれてくる。 ……最悪だ。 男に組み敷かれるなんて!! いくら媚薬のせいだっていっても、自分から体を開いて相手を欲しがるなんて!! 「……っつ、ぅうっ!!」 父さんの形見であるジャンビーアも……。 男としての立場も……。 全部、失った。 「っひ……っくっ……」 誰もいない憎き兵士の部屋で、オレはベッドのシーツに顔を埋め、声を殺して泣いた。 ――その日から、あんなに食い物を求めていたオレの姿が嘘のように、何も口にすることなく、涙を流して過ごす日が続いた。 ――翌々日。 オレの元に、新たな刺客が送られてきた。 飲まず食わずがずっと続いたから、さすがのヘサームも焦ったのだろう。 |