アラビアン・ナイト
第七話





chapter:Refusal~涙の理由





「どうしてそんなことをオレに言うの?」



バシラさんはふたたび目を開けて、尋ねたオレの困惑している表情を視界に入れた。



「ヘサーム殿は、貴方を好いておられるからです」




なんだって?

ヘサームがオレを好き?


それはあまりにも、バシラさんがサラッと告げたものだから、オレは自分の耳を疑った。




……あり得ない。

だって、だってオレは男で、ヘサームももちろん男だ。



同性を恋愛対象として見るのはかなり無理がある。




「オレは男だ」

「ですが、ヘサーム殿は貴方を好いておられる。失礼ですが、貴方は人買いに捕らわれ、媚薬を浴びせられたとか……」

「……っつ!!」


バシラさんは事実を告げている。

だけど、人買いに捕らわれ、男に体を暴かれたあの時のことを思い出したくもない。

それでも、いろいろしてくれているバシラさんに失礼なことをしたくなくて、オレは、コクンと小さく頷いた。


すると、バシラさんは突然オレに手を伸ばし、カンドーラの上から胸のあたりをなぞった。



ビクンッ!

触れられた箇所から甘い疼きを感じて、オレは与えられた刺激に反応してしまう。


体は小さく震えた。



「あっ、いやっ!!」


「……やはり、まだ媚薬は最後まで抜けてませんね」




――え?

それは、どういう意味?





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