chapter:Passion~アティファ オレが尋ねると、言おうか言うまいか躊躇(ためら)っていたのだろうか、ヘサームの口がまた開いた。 「いくら君を守るためとはいえ、媚薬に侵されている君を無理矢理抱いてしまった……」 ヘサームの声が震えている。 ――それって。 ……それって……。 ねぇ、ヘサーム? それって、もしかして、オレのこと、好きでいてくれてるの? 「……オレは、他の奴に抱かれて、汚れちゃったけど……許されるのなら、ヘサームの隣にいたい」 ヘサームの言葉が、告白であってほしいと思いながら、震える唇に言葉を乗せていく。 「汚れてなんかいないさ。君は出会った時と同じで、汚れなく美しい。 愛している。アティファ」 ヘサームの言葉に、息が詰まった。 だって、だってさ。 『愛している』って、彼はたしかに、そう言ったんだ。 その言葉が嘘ではないと、そう言うように、涙を流すオレを見つめてくる真摯(しんし)な瞳。 「っつ、ヘサーム!! オレ、オレ……嫌われたのかとっ!!」 嬉しすぎてどうにかなりそうなオレにとって、言いかけた言葉があまりにも悲しいから、最後まで言えなかった。 もしかすると、オレはまだ夢の中なのかな? 現実は、まだヘサームは目覚めてなくて、熱にうなされているのかな……。 |