chapter:Passion~アティファ お願いだ。 神様。 どうか、これが夢ではありませんように……。 オレは天に祈りながら、たくましい体に頬をすり寄せる。 ヘサームは、そんなオレの頭のてっぺんにキスを落とし、優しく抱きしめてくれた。 夢ではないと、そう言ってくれるように……。 ――オレ、今すごく幸せだっ!! 「君の母上のことだが、ナジに診てもらうといい。彼は医療のスペシャリストだから。 それでアティファ、俺は君を養子にしたい。 一緒になろう」 ヘサームと両想いになれたことで、嬉しくてひとしきり泣いた後、静かにそう言ったヘサームの表情はとても穏やかで、目を細めて微笑んでいた。 オレが好きな、ヘサームの笑顔だ。 また彼の、その表情が見られて嬉しい。 それにそれに、ヘサームはさっき、なんて言ったの? 母さんの病気をナジさんに診てもらえってそう言った? オレを養子にするとも? ――ああ、神様。 あふれ出てくる感情は、絶えず流れ込んでくる。 返事。 返事をしなきゃ。 だけどダメだ。 嬉しすぎて、返事なんかできるはずがない。 込み上げてくる感情が喉につっかえて、声が出せない。 代わりにコクンと頷くと、薄い唇がオレの口を塞いだ。 「……ん」 オレは両手をたくましい体に回し、身をゆだねた。 |