chapter:Harem~砂漠に咲く花 おお、みんなやる気満々だな。 オレも負けるか!! オレも躍起になって、腰から父さんの形見であるジャンビーアを抜くと、卑怯な奴らを一網打尽にしていく。 だから、オレの後ろで兵士たちが話している内容もまったく耳に入らないわけで……。 「はやくしろっ!! アティファ副隊長に何かあったら、俺たち、ヘサーム様に殺されるっ!!」 「言ってるそばから、ヘサーム様が来たぞ!!」 「早く捕まえろぉぉおおおおおっ!!」 ……すげぇ。 ヘサームの兵って、こんなに強かったんだ……。 ――ということは、盗みをはたらいた時、オレと剣を交えてオレが勝ったのって、本気じゃなかったってことだよな? 何にしても、オレは手加減されてたんだ……。 一般人に本気を出さないって。 ちょっと見直したぜ、ワーリー王の兵士。 ……なんてオレが思っている間にも、兵士たちは、繰り出される刃を受け止め、柄を使って相手の腹に打ち込み、ひとり、またひとりと確実に縄をかけていった。 あんなにゴミゴミしていた周りが嘘のようだ。 辺りはシン、と静まりかえり、塵ひとつすら残っていない。 「隊長、副隊長。では、私たちはこれで。引き上げるぞ!!(殺される前にっ!!)」 やって来たヘサームに敬礼をひとつすると、兵士たちはそそくさと国に戻っていく。 |