chapter:☆・゜:*Happy Christmas*:゜・☆ お金がないと何もできないし、それに何より、昴は、華やかな芸能界にいることを望んでいる。 そして悠里は、昴には高校に行くための学費を出してもらっている身だ。軽々しく、一緒にいたいと言える立場ではない。 (さみしいなんて、贅沢なことは言えないよね) だったら少しでもいい。 昴が帰ってくるまで、せめて待っていよう。 そうして、ほんの少しだけの時間でも、昴とクリスマスを過ごそう。 そう決意して、何時ものように、学校帰りに買い物をする。 昴が何時、家に帰ってきてもいいように、風呂の準備をして、食事の用意をする。 今夜はクリスマスイヴだ。 唐揚げにスパゲッティー。あたたまる野菜スープを、テーブルの上に、所狭しと乗せていく。 それと、予約していたイチゴのケーキは冷蔵庫の中に――。 悠里は、ダイニングキッチンの四人掛け用のテーブルに座り、昴が帰ってくるのを待つ……。 キッチンは暖房器具がなく、少し寒い。 けれど、自分の部屋に戻ってしまうと、昴が仕事から帰ってきた時に、すぐ出迎えができない。 悠里は椅子のひとつに腰掛けて、つま先が冷えてくるのを防ぐため、華奢な身体をうんと縮めて彼の帰りを待つ。 昴とは、夕食の約束はしていない。 仕事に忙しい昴はきっと、悠里のことなんて忘れているだろう。 |