好きと言えない。
番外編





chapter:☆・゜:*Happy Christmas*:゜・☆





 すると今度は、ふわりと身体が宙に浮く。


「うわわわわっ!!」

 悠里がいったい何事かと思った時には、すでに昴によって横抱きにされていた。

「え? 昴? あわわわわわっ!!」

 慌てる悠里。

 その悠里を尻目に、靴からスリッパに履き替えた昴は、何処かを目指して迷いも無く歩いていく。

 長い廊下の右側にあるトイレを通り抜け……。

 左側にあるダイニングキッチンとリビングを素通りして……。

 その先にあるのは……。



(えっ? 昴? この先って――……)

「あの、すばる!!」

 昴の行き先を理解した悠里は、密着させていた身体を離し、彼に訊ねた。

「そんな健気なことを言う悠里がいけない」

「えっ?」

(それって、どういうこと?)


 この先にあるのは、バスルームだ。

 けれど、何故、昴に抱えられ、自分もバスルームに行く必要があるのか、悠里には判(わか)らない。

 昴の考えを理解できず、悠里はただただ彼の首に腕を巻きつける。

「その仕草もね、俺にとっては、『どうぞ食べてください』って言っているようなものなんだよな」

(えっ? 食べる?)

「すばる? もしかして……あの!!」

 そこでようやく理解した悠里は、慌てはじめる。

 けれど昴は、悠里の考えを読み取ったかのように、にっこりと微笑んだだけだった。

 その微笑みは、今まで見たことがないほど、とても綺麗なものだった。


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