chapter:身代わり~秘めた恋心。 久しぶりに見た昴は、以前よりも凛々しかった。 いくらまだ中学生とはいえ、身長がいまだ165センチしかない自分とは全く異なった彼は、ピンと張った背筋と流れるような長い手足。身長は、悠里の頭よりふたつ分ほど背が高い。おそらく180センチは優に超えているだろう。 そんな彼は昴はなんと、モデルとしてデビューをしたのだという。 もともと昴は尋常ではないくらいの容姿をしていたから、悠里はそうなって当然だと、頷くだけだった。 自分とは違う、男らしい昴。 その彼が今、自分の目の前にいる。 何年も彼と顔を合わさなかったというのに、彼を見た瞬間、悠里の胸は大きく跳ねる。 それは、昴への恋心を失ってはいないのだと、思い知らされた瞬間でもあった。 そんな彼は、弧を描いた大きくて薄い唇から、信じられないことを告げてきた。 その内容とは、なんと悠里を自分を引き取ると言い出すではないか。 自分とは無縁の遠い存在の彼。 悠里は、もう二度と、会うことがないと思っていた想い人である昴の近くにいられることが純粋に嬉しかった。 だから、悠里は戸惑うことなく昴の言葉に頷き、共に暮らしはじめる。 昔のような兄と弟のような関係を昴ともう一度――……。 悠里は、そう思って疑わなかった。 モデル活動をしている昴は、両親とは別居をしており、大きな住宅街のひとつにある高層マンションに住んでいた。 |