chapter:身代わり~秘めた恋心。 戸惑いを見せる悠里に、昴は一度、悠里のふっくらとした赤い唇を開放すると、無情な言葉を言い放った。 「……イラつく」 彼の言葉は、悠里を容易に冷たい世界に陥れる。 はじめて知った、昴の感情。 悠里はなぜ、自分が昴に嫌われているのか、判らなかった。 ――いや、知りたくはなかった。 だが、昴はたしかに、悠里に、『イラつく』と言ったのだ。 そこで悠里はある考えを過ぎらせる。 それはつまり、昴を好きだという気持ちがバレたのではないかと……。 だから、昴は自分を嫌ったのではないかと、そう思った。 悠里の身体から一気に血の気が引いていく……。 「ご、ごめ……なさっ」 悠里は目から溢れ出そうになる涙を必死に堪え、自分を戒めている昴から離れようと胸板を押す。 しかし……。 彼はそんな悠里を見て口角を上げ、笑うばかりだった。 一刻も早く離れなければ、余計に嫌われてしまうと思った悠里は、なんとか解放されたくて身じろぎをするが、昴はそうはさせてくれなかった。 再び悠里の小さな唇は昴の唇によって塞がれてしまった。 「んっ」 そして、彼はさらに悠里を崖っぷちへと追い込む。 「ねぇ、悠里。君の容姿は女の子みたいだよね。君は本当に男の子なのかな?」 彼はそう言うと、悠里を横抱きにして寝室へと向かった。 悠里は、すっかり打ちひしがれてしまった。 |