chapter:甘美な身体。 彼女は、彼が此処に運び込まれた時よりも、体調が悪化していることを感じ取った。 男子生徒の顔色を窺うため、覗き込む。 すると、どうしたことか、彼女は、腕の中にいる生徒に、とてつもない色香を感じてしまった。 薄い唇から短く吐き出される彼の吐息が、彼女の頬に当たる。 熱に浮かされている頬はまるで、恋を知った少女のような、恥じらいがある。 彼はとても可愛らしい顔をしていた。 彼女が息をのんだのは、このまま、この男子生徒を奪ってしまいたくなったからだ。 いやしかし、彼はここの生徒で、しかも風邪をひいている。こんな状態の時に、自分はなんということを思うのだろうか。 そう自分に言い聞かせ、頬に当たる彼の吐息を打ち消すため、首を振った。 しかし、その行動が裏目に出てしまう。 つい先ほど、息苦しそうにしていたこの生徒のネクタイを解いてしまったために、カッターシャツの割れ目からは、真っ白な肌が見えてしまった。 陶器さながらの真っ白な柔肌……。 彼のうなじから視線を落としていけば、カッターシャツのボタンがみっつほど外れ、肌蹴た胸元へと釘付けになってしまう。 すっかり、この男子生徒色香に惑わされてしまった彼女は、ただ欲望のままに右手を彼の肩からむき出しになっている胸元へと滑らせた。 「ん…………っ」 その直後、浅い呼吸をしている小さな苺のような甘い唇から、ため息にも似た声が漏れ出た。 |