chapter:想い、溢れて伝う涙。 大きな目に溢れていた涙は目尻を伝い、頬へと流れはじめる。 口では言い表せないほどの罪悪感が悠里の小さな胸を襲った。 それなのに、昴は悠里の発した言葉を軽く受け流した。 「なんだ、それだけ?」と――……。 「えっ?」 (それだけ? 違う。それだけじゃない。だって、ぼくは昴に迷惑ばかりをかけているんだ) だからそれだけではないと、悠里は首を振った。 すると、昴は悠里の頭を自分の胸に引き寄せる。 「悠里、俺は別に君を足手まといだとは思っていないよ」 「……っつ!!」 その言葉が、悠里の視界を奪う。 「……っひ」 苺のようなかわいらしい唇から、嗚咽が吐き出される。 「悠里、泣かなくてもいい。俺は悠里のことを大切に思っているよ」 そう言って、彼は熱のある悠里の身体を、いっそう自分の胸に引き寄せた。 「すば……る……」 (――違う。昴はぼくのことをただの弟としか思っていない。夜になれば、ただの性欲処理だ。勘違いしてはいけない――) そう自分に言い聞かせても、悠里の心は期待せずにはいられなかった。 だから悠里は、細い腕を昴の広い背中に回した。 離さないで、と、祈りながら――……。 |