chapter:拒絶。 悠里は、自分のことをクラスの中で目立たないと思っていたのに、思いのほか皆が心配してくれることに驚きを隠せなかった。 そして、こんな些細なことが、悠里の胸をあたたかくしてくれる。 その日、無事に学校を終えた悠里は、意気揚々と家に帰った。 (昴に今日のことを話したら、なんて言ってくれるかな) 今となっては日課となっている学校帰りの夕食の買い出し。 食材を手に取りながら、そうやって、昴と過ごす、夕食のひとときで話す内容を考えた。 それだけで、胸が弾む。 夕食の支度も、心なしかいつもより手際よくできた気がする。 悠里は味噌汁をつくり、買ってきた魚をグリルにセットして、昴が仕事から帰ってくる頃合いを見計らう。 その間、学校を休んだ分の勉強を取り戻そうと、勉強机にかじりついた。 いったいどれくらいの時間を、勉強机と向き合っていただろう。 気がつけば、太陽は空から消え失せ、代わりに月が暗闇を照らしていた。 悠里は慌てて勉強机にある置時計に目をやった。 (大変だ!!) 悠里が焦ったのは、時刻は18時30分を過ぎていたからだ。 昴は何時も、帰宅してからすぐに夕飯を食べて、風呂に入る。 そのため、夕飯の用意を先に済まさなければならない。 だが、魚を焼くのに最低でも20分はかかってしまう。 |