chapter:拒絶。 悠里は、ことのほか勉強に集中してしまったと頭打ちをして、急いでキッチンへと向かった。 無人のダイニングキッチンは、真っ暗で、何処か物寂しい。 壁に埋め込まれている電気のスイッチを入れた。 蛍光灯は、パチパチと音を立て、ダイニングキッチンを照らす。 悠里はグリルに火をつけ、炊飯器を19時に炊けるよう、セットする。 時刻は18時40分だ。 昴が帰宅する、ギリギリでなんとか食事は調う。 悠里は、ほっと胸を撫で下ろし、四人掛けのテーブルに腰を下ろした。 テーブルの上で肘をついた悠里は、グリルと炊飯器の電子音を聞くと、すぐに立ち上がり、昴が何時、帰って来てもいいようにと、膳を用意した。 いったいどれくらいの時間が過ぎただろうか。 食事の用意は調った。 気がつけば、時刻は20時をまわっている。 昴はまだ帰ってくる気配がない。 本来であれば、昴はすでに帰宅し、テーブルについている筈なのだ。 けれど彼はまだ、悠里の前に姿を現さなかった。 (どうしたんだろう?) 悠里の頭には、帰宅途中に事故にあったのではないか。 何かトラブルでもあったのかと、一抹の不安が過ぎる。 (ううん、きっと大丈夫だよね) 悠里は首を振って、おかしな考えを否定した。 (きっと、お仕事で帰るのが遅くなってるだけだ) |