chapter:恋着。 なにせ昴は、嬉しそうに話す悠里の可愛らしい口から誰かの名前が出るたび、嫉妬に駆られ、華奢な彼をベッドに組み敷き、厭(いや)というほど、男を覚え込ませたのだから……。 そんな、勝手極まりない自分の帰りを、悠里はこの寒い中、夕飯も食べすに、ずっと待っていた。 そう考えると、胸の奥が、カッと熱くなる。 それは、狂いそうなほどの、愛おしいという想い。 昴は我慢できず、悠里の頭頂部に唇を落とす。 そうすると、気のせいだろうか。 悠里が、微笑んだような気がした。 昴は一向に起きそうにない悠里の頭を自分の肩に乗せるようにして、片腕を彼の膝下に入れた。 彼は相変わらず軽い。 年頃の男子よりも身長が低いせいなのか、食べるものもそこそこで終わってしまう悠里は、同年代の男子よりも食が細い気がする。 昴は悠里を横抱きにすると、彼の部屋へと向かった。 服越しの胸には、悠里の穏やかな寝息が当たっている。 悠里の柔らかな吐息を感じると、昴の胸が締めつけられるような、それでいて、とても穏やかな気持ちになった。 |