好きと言えない。
第十話





chapter:想い、打ち明けて。





 最後くらい、快楽に埋もれ、昴に抱かれたかったのに、それすらもできない不器用な自分を、悠里は呪った。

「悠里……何を泣いて!!」


 昴は、悠里の密口から出て行こうとする。


(いや……いや!! まだ出て行かないで!!)

 悠里は、昴の広い背中に腕をまわし、両足を腰に巻きつけた。


 そうすると、昴の身体が強張ったのが判(わか)った。

「悠里!! 無理してまで抱かれなくてもいい。俺は……俺の所為だな。今まで、すまなかった」

(ちがう。そうじゃない)


 悠里は今までずっと、無理をして昴に抱かれていたわけじゃない。


 悠里自身が、昴とこうしていたかったんだ。


 悠里は必死に首を振って、抱かれて嬉しかったのだと、昴に訴えかける。

――だが、昴は悠里の仕草をどう受け取ったのか、身体を引き剥がしてくる。


「やっ。無理してない」

「しているだろう? 泣いてまで抱かれる必要なんてない!! ……すまない。お前の良心に付け込んだ俺が悪い……」

(ちがう)

(そんなこと、言う必要ない)


 昴はいつもこうだ。

 悠里のことをそうやって優しく包み込んでくれる。


「違うよ!!」

「違わないだろう? もう、いいんだ。悠里……今まで、ごめんな……」


 悠里の密口から、昴が消えた。

 昴という存在が、いなくなったと思い知らされた悠里の身体は、一気に冷たくなっていく……。


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