chapter:想い繋がる夜。 彼は、悠里の言っている意味が判(わか)らないとでも言うかのように、ただただ、ジッと見つめ返してきた。 これには、悠里の方が困惑してしまう。 (どういうこと?) 「あ、あの。女優さんと付き合ってるって……」 そう告げた悠里の目からは、じんわりと涙が溢れている。 どんなに好きだと告白されても、やはり昴はその女優と付き合うのかと、そう考えてしまう。 悠里はけっして、昴のことを信用していないわけではない。 ただ、自分がその女性よりも長けていると思える部分が見当たらないのだ。 女優というくらいだ。おそらくはとても美しい容姿をしていることは見当はつく。 綺麗な女性と、臆病な男の自分。 どう考えたって、悠里の方が不利だ。 悠里は悲しみを堪えるため、きゅっと唇を引き結ぶ。 そんな悠里を目の前にしても、けれど昴の表情は以前として変わらなかった。 いや、変わらないというのは正確ではない。だって、昴の眉間には、いっそう深い皺が刻まれているのだから……。 「付き合っている? 俺が、誰と?」 (――え?) これはいったい、どういうことだろう? 「あ、あの……だって、昴と女優さんが付き合っているって……榑葉(くずは)さんが……」 「榑葉がそう言ったのか?」 (――え? え?) 昴は自分のことなのに、どこか他人事のように訊いてくる。 訊ねているのは自分の方なのに、逆に訊ねられると、悠里はますます困惑してしまう。 「え? あれ? 違うの?」 |