好きと言えない。
最終話





chapter:想い繋がる夜。





 そうなると、自分の聞き間違いかと思ってしまう。

 悠里は当時、榑葉に言われた言葉を、もう一度思い返してみる。



「なあ、悠里。俺は誰とも付き合っていないぞ? たしかに、そういう記事が一時期流れはしたが……?」


(えっ? あれっ?)

「だって、昴は女優さんと付き合ってるのかって、榑葉さんが……」

 そう、榑葉は訊ねてきたのだ。


 よくよく考えてみれば、女優と付き合っているのだと断言されたわけでもなく、樟葉は、ただ昴の一番身近くにいる悠里に、『今話題になっている女優とはどうなのか』ということを、彼は問うてきただけだった。


 そのことを知った悠里は、恥ずかしさから顔が真っ赤になるのが判った。


「あ、あの……昴……は女優さんと付き合ってて、ぼく、はその女性の代わりに抱かれてるんだと……あれ? 勘違い?」


 最後の方は、恥ずかしさのあまり、もう本当に消え入りそうな声だった。


(恥ずかしい。だったら昴は、ずっとぼくのことを恋愛対象として抱いてたってこと? うわ、うわ、うわっ!!)


 悠里はあまりの恥ずかしさに昴の顔を見つめられなくなってしまった。

 顔を逸(そ)らし、昴の胸に埋める。


「へぇ〜、それで悠里は勝手に傷ついてたんだ」

 どこか凄みのある声が、悠里の耳に届く。

(……うっ)

「あ、あの……だって……えっと……昴はぼくのこと好きって言ってくれないから……」


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