好きと言えない。
最終話





chapter:想い繋がる夜。





「言えるわけがないだろう? そんなこと。ただでさえ、俺はお前を無理矢理抱いたんだ。それを言えば、お前は俺に同情して傍にいなければと考えるだろう?」

 そう言う昴の口からは大きなため息が零れ落ちる。


「ならないよ!! 同情なんか、ならない!!」


 だって、悠里だってずっと昴が好きだったのだ。

 その昴に抱かれることが、悠里は嬉しかった。

「ぼく、引っ越して昴と離れた時、好きだって気づいたんだ。昴がまたぼくのところに来てくれた時、とても嬉しかった」


 悠里は、昴の唇に自らキスを落とした。


「悠里……。そうか、俺たちはずっと同じ想いを抱いていたんだな」

 スッと細められる虎目石の瞳には、恥じらいの表情を見せる悠里の顔が映し出されている。

 その瞬間、悠里の中で昴の存在が大きくなっているのだと、改めて気がついた。



「知らなかったとはいえ、悠里を苦しめていたんだな。ごめん」

 昴は悠里を抱きしめ、耳元で告げた。

 悠里の胸が、ジン……と熱くなる。


「すばる……」

 これからも昴と共にいられるのだと思えば、とても嬉しくなる。

 だから悠里は両手を、たくましい身体に巻きつけ、昴に縋った。

「昴……抱いて……」


 昴が欲しい。

 自分を想ってくれる昴と繋がりたい。

 悠里は昴に懇願した。

 男の色香をまとった昴の薄い唇は弧を描き、妖艶に微笑んでいる。


- 98 -

拍手

[*前] | [次#]
ページ:

しおりを挟む | しおり一覧
表紙へ

contents

lotus bloom