迷える小狐に愛の手を。
第十二話





chapter:夢? それとも現実?







「ん…………」

身体が疼く……。

それにまた、オレ自身が大きく膨れ上がっていくような感じがする……。


やだな……。

また、これかよ。

ベッドで寝っころがっていたオレは、いつの間にか寝ていたみたいだ。

閉じた目を少し開けるけど……ダメ。

すんげぇ眠い。

目は、また閉じてしまう。


……だけど、身体がムズムズして気持ち悪い。

どうしよう。


「ふっ……んぅ」


また、ヘンな声がオレの口から漏れた。

「古都(こと)? 苦しいのか?」

幸(ゆき)の声だ。

オレは反射的にコクリとうなずいた。


「ゆき……オレ、眠い……」

「いいよ、そのまま寝ていなさい」



クスリと笑う幸の声が、とても心地いい。



今日、避けられていたことなんて、嘘のようだ。


もしかしたら、今日のあれはぜんぶ夢だったのかも。

きっとそうだよな。

幸はそういうのでオレを避けるとか、しないよな。

だってオレがどんなに噛みついても、引っ掻いても、全然怒らなかったんだもん。


ジク、ジク。
ジク、ジク。

そうこう考えている間にも、疼きは身体中を駆け回る。

オレは目をつむったまま、疼きに耐えられなくってモソモソと足を動かした。

そうしたら、ひんやりとした手が腹に当たった。


……スル。

突然あらわれた、ひんやりした手によって、オレがはいていたズボンを下ろされる……。





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