迷える小狐に愛の手を。
第十二話





chapter:夢? それとも現実?





さっきよりもオレ自身が大きく膨れ上がっているのが分かる。

それにオレ自身が、心臓と同じくらいの速さでドクドクと脈打っている。

押し寄せてくる快楽に抗(あらが)おうと、頭の下に敷いている、ふかふかの枕のミミを両手でしっかり掴む。

だけどやってくる快楽は、それだけじゃ、抗うことなんてできない。


……クチュ、クチュ。

滑った音も執拗に聞こえてくる。


目を閉じている分、音がやけに大きく聞こえる。




「は、ぁあんっ」

オレが喘ぐたび、幸は、より強い快楽へとオレを誘う。


「ゆき、ゆきっ、も、おねがい……」

中にある、ぜんぶを吐き出したい。


オレは幸に、もう終わらせて欲しいとお願いする。

そうしたら――。


ググッ。
「っく、ぅん……」

膨れ上がりすぎたオレが、ずっと奥の方まで挿し込まれた。


ギュウウウウッ。

グッと締めつける何かの狭い中で大きく強調しているオレを、今までにないくらい、強く締めつける。



「あ、あ、あ……やぁぁぁぁぁああああああああんっ」

勢いよく流れる白濁は、オレを快楽へと一気に押し上げる。

そして、オレは意識を手放した。


……その直前、何かを飲むような音がしたのは、オレの気のせいだよな。





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