chapter:蜜に溺れる身体 疑問に思ったのは、身体が思い通りに動かせなかったからだ。 そこで初めて、オレは両手がある方へ顔を上げた。 「なんっ!!」 頭上に目をやった瞬間、オレは絶句した。 だって、オレの手首は、頭上にあるベッドの柵と繋がっている、頑丈なロープでしっかり固定されている。 足も動かそうとするけど、やっぱり動かせない。 今度は、足の方へと視線を下ろしていけば……。 「っつ!!」 今度こそ、オレの言葉は消え失せた。 全身を駆け巡る血液は止まり、身体が氷つく。 だって……。 オレの身体……。 「ああ、やっと自分が置かれている状況を理解してくれたんだな」 「な……んで…………」 あるはずのパーカー。 傷ついた足を痛めないようにと、オレの足に合わせて買ってくれた動きやすいスニーカーも、何も、ないんだ。 「古都の肌は実に美しい。俺たちの故郷で降り積もる雪のように白い」 「っく…………」 「そんな美しい雪景色にふたつの桜色の蕾……そして……」 オレの身体を舐めまわすように冷たい視線を送った後、神楽は身体の中心にあるものに視点を置くと、うっすらと笑みを浮かべた。 笑っているのにそれさえも恐ろしく感じる。 オレは仰向けにされ、ひらいた肌を神楽に見せていた。 オレが足を動かせなかったのは、両膝を立てさせられ、手首同様、足首も頑丈なロープで縛られていたからだ……。 |