迷える小狐に愛の手を。
第十五話





chapter:蜜に溺れる身体





疑問に思ったのは、身体が思い通りに動かせなかったからだ。


そこで初めて、オレは両手がある方へ顔を上げた。


「なんっ!!」

頭上に目をやった瞬間、オレは絶句した。

だって、オレの手首は、頭上にあるベッドの柵と繋がっている、頑丈なロープでしっかり固定されている。

足も動かそうとするけど、やっぱり動かせない。

今度は、足の方へと視線を下ろしていけば……。


「っつ!!」

今度こそ、オレの言葉は消え失せた。

全身を駆け巡る血液は止まり、身体が氷つく。


だって……。

オレの身体……。



「ああ、やっと自分が置かれている状況を理解してくれたんだな」


「な……んで…………」


あるはずのパーカー。

傷ついた足を痛めないようにと、オレの足に合わせて買ってくれた動きやすいスニーカーも、何も、ないんだ。




「古都の肌は実に美しい。俺たちの故郷で降り積もる雪のように白い」

「っく…………」

「そんな美しい雪景色にふたつの桜色の蕾……そして……」

オレの身体を舐めまわすように冷たい視線を送った後、神楽は身体の中心にあるものに視点を置くと、うっすらと笑みを浮かべた。

笑っているのにそれさえも恐ろしく感じる。

オレは仰向けにされ、ひらいた肌を神楽に見せていた。


オレが足を動かせなかったのは、両膝を立てさせられ、手首同様、足首も頑丈なロープで縛られていたからだ……。





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