chapter:蜜に溺れる身体 その両足の付け根にあるオレ自身は、神楽に捧げるように、配置させられている。 ふざけんな。 ふざけんな、ふざけんなっ!! 「ふざけんなっ!! 早くこの縄、解けよっ!!」 オレが戒(いまし)めを解こうと、必死に身体を動かせば、両手首や両足首に巻かれているロープが皮膚に食い込んでいく。 せっかく治りそうになっている足の傷は、また悪化する。 だけど、今はそんなことを気にしている余裕はない。 痛みに構わず、身を捩(よじ)る。 「無駄だよ、古都。俺は二度も同じ過ちをおかさない。もう、君は逃げられないよ? 君のすべてはもう、俺のモノだ」 「っく、なんで……なんでだよ神楽!! 前はこんなんじゃなかっただろ? なんで……。 なんで……父さんと母さんを殺したんだよ!!」 「……すべては、人間に復讐するため」 「――なっ!?」 神楽は、自分に言い聞かせるように、オレの問いに、ぼそりと答えた。 ……やっぱり。神楽は、自分の親を殺されたことが許せなかったんだ。 人間に両親を殺された苦しみや悲しみは分かる。 だけど、その為に、オレの父さんと母さんは……。 「古都、君はさっき、『昔はこんなことをしなかった』と言ったね? たしかに、昔はこんな行動は取らなかった。だけどね、俺はこういうことを、毎日考えていたんだよ」 |