chapter:蜜に溺れる身体 オレは抵抗の意味を込めて、足元にいる神楽を睨(にら)んだ。 「その挑戦的な眼も、すぐに泣き顔へと変化することになる」 神楽は、そっとオレの傷ついた足首を撫でた。 「オレに触んな!!」 オレの身体は恐怖で震えはじめる。 それを気づかれないよう、威嚇(いかく)する。 だけど、それさえも神楽はお見通しみたいだ。 口角を上げて、ニヤリと冷たい笑みを浮かべた。 「それは出来ない相談だよ、古都。なんといっても、君に触れる事こそが俺の望みだからね」 神楽はそう言うと、桃色の小ビンのフタを開け、ねっとりとしたクリーム状のものを手に取った。 神楽の指に付着している真っ白いクリームを見ると、とてつもなく恐ろしいものに見える。 ……ゾクッ。 オレの背筋に寒気が走った。 イヤだ。 怖い。 クリームを見た瞬間、身体がこれまでにないくらい、拒絶をした。 「へぇ、古都はこれが何かわかるの?」 神楽は薬指につけたクリームを突き付けてくる。 「知るかよ、そんなの!!」 強張る身体とは対照的に、恐怖を感じ取られないよう言葉だけは虚勢を張る。 そんなオレに対して、神楽は冷静だった。 「試してあげようね」 神楽は、ふたたび冷たい微笑みを見せると、クリームがついた指を、むき出しになっているオレの胸に塗りはじめる……。 「イヤだ!! こんなのおかしい!! ヤメロよ!!」 |