迷える小狐に愛の手を。
第十五話





chapter:蜜に溺れる身体





神楽は、喚(わめ)くオレを無視して話を続けた。



「美しい肌だ……。ふたつの桜色をした蕾は、実に可愛らしい」



「やめっ!!」

手に力を入れてみるものの、やっぱりオレを縛っているロープはびくともしない。

そうやって、オレがもがいている間にも、神楽は、オレの乳輪をなぞる様に、指を動かしていく――……。


「今はそうじゃないかもしれないけれど、大丈夫。すぐに気持ちよくなるよ」


んなもんなるか!!

自分の身体に触れる神楽を精いっぱい睨む。


「実に美しい蕾だ……。クリームでぬめりを帯びた乳首は、まるで愛液をかけられたように濡れている……」

神楽は、オレの乳首をうっとりと見つめ、もうひとつの乳首にもクリームで、なぞっていく……。


「さわるな!! くそっ、離せ!!」

ねっとりとした感触が、とても気持ち悪い。


それに、なんだろうか。

塗られた部分が熱をもちはじめているような気がする。


やばい。何の薬だよ、コレ!!

焦るオレを尻目に、神楽は両手でオレの乳輪をなぞりはじめる。


「イヤだって、言ってんだろ!!」

オレのすべてが自分の物だと言わんばかりの神楽――。

オレの気持ちを少しも考えない神楽が、とても気持ち悪い。


今、オレを奪おうとしているのは、父さんと母さんを殺したヤツなんだ。





- 127 -

拍手

[*前] | [次#]
ページ:

しおりを挟む | しおり一覧
表紙へ

contents

lotus bloom