迷える小狐に愛の手を。
第十五話





chapter:蜜に溺れる身体





「通常なら、これくらい強く摘まむと痛いだけなんだが、媚薬を使えば快感を伴う。

――ああ、すごいね古都。君の乳首、女性の胸のように膨れてきたよ……」


神楽はオレから身体をずらし、初めよりもずいぶん強調しはじめたオレの乳首を見つめた。

そして……。


……カリリッ。
思いきり何かを噛む音がした。

「っ、やああああああっ!!」

神楽が、歯をたててオレの乳首を噛んだんだ。

痛々しい音と一緒にオレの腰がベッドから離れた。

だけど、それも痛みはない。

恐ろしいほどの強烈な刺激がオレを襲うんだ。

――いやだ。こんなの……。

心は拒絶しているのに、身体は気持ちがいいと判断する。


「こっちも……ね」

神楽はそう言うと、もう一方の乳首にも思いきり歯を突き立てた。

カリリッ。
「っひ、あああああああっ!!」


ビクンッ。
オレの腰が、またベッドから離れる。


「可愛い。すごくいいよ古都」

乳首を舌で舐め取り、吸い上げる。

そしてもう一方の乳首も、神楽の指で摘ままれ、弄ばれる。

「んっ、っふ、ああっ、いやっ」

――もうオレの身体で自由になるのは、頭だけだ。

オレは首を振って、この快楽は決して自分が欲しているわけじゃないと抵抗した。

目を閉ざせば、幸の、あの優しい微笑みが頭を過る。


幸。

ゆき。


幸を求めて手を伸ばそうとしても、がんじがらめにロープで縛られているから、身動きが取れない。





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