迷える小狐に愛の手を。
第十五話





chapter:蜜に溺れる身体





オレ、このまま神楽に抱かれるの?



もう……。

幸には会えないんだ……。




……優しいあの笑顔も、もう二度と、見ることができないんだ。




そう思えば、胸が苦しくなる。

心が悲しくなる。


何度も首を振っているうちに、雫が散っていくのが見えた。


ああ、オレ……。

泣いているんだ。

絶望がオレの胸を覆うと、神楽に抵抗する気力さえもなくなってくる。

身体から、力が……抜けていく……。



「古都、やっと理解してくれたんだね」

ただ単に、悲しみがオレを覆い、力を削ぎ落としただけ。

ただ、それだけなのに、神楽は自分を受け入れてくれたとでも思ったのだろうか。

神楽はオレの腰を固定していた両足を緩めた。

それと同時に、胸に這(は)わせていた舌と歯も離れる。


「っな……に……を…………」

「ん?」


快楽に染まりきったオレの言葉は呂律(ろれつ)がまわらず、舌足らずになってしまう。


「人間を……復讐するって……どうやって……」

オレが尋ねると、神楽は、「ああ」と、さも何でもないように、相槌(あいづち)を打った。


「古都の力をもらった後、人間を俺たち妖狐族の奴隷にしようと思っている」


「なんっ!?」


神楽の、何でもないように言う言葉で、オレは絶句した。


奴隷?

人間を?





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