chapter:蜜に溺れる身体 オレ、このまま神楽に抱かれるの? もう……。 幸には会えないんだ……。 ……優しいあの笑顔も、もう二度と、見ることができないんだ。 そう思えば、胸が苦しくなる。 心が悲しくなる。 何度も首を振っているうちに、雫が散っていくのが見えた。 ああ、オレ……。 泣いているんだ。 絶望がオレの胸を覆うと、神楽に抵抗する気力さえもなくなってくる。 身体から、力が……抜けていく……。 「古都、やっと理解してくれたんだね」 ただ単に、悲しみがオレを覆い、力を削ぎ落としただけ。 ただ、それだけなのに、神楽は自分を受け入れてくれたとでも思ったのだろうか。 神楽はオレの腰を固定していた両足を緩めた。 それと同時に、胸に這(は)わせていた舌と歯も離れる。 「っな……に……を…………」 「ん?」 快楽に染まりきったオレの言葉は呂律(ろれつ)がまわらず、舌足らずになってしまう。 「人間を……復讐するって……どうやって……」 オレが尋ねると、神楽は、「ああ」と、さも何でもないように、相槌(あいづち)を打った。 「古都の力をもらった後、人間を俺たち妖狐族の奴隷にしようと思っている」 「なんっ!?」 神楽の、何でもないように言う言葉で、オレは絶句した。 奴隷? 人間を? |