迷える小狐に愛の手を。
第十五話





chapter:蜜に溺れる身体





神楽は、睨み続けるオレから背を向け、鉄でできた扉に手をかけた。



コイツ、本気だ。

本気で、コイツはオレを置いて行く気なんだ。


その途端、オレの中で、死ぬまで神楽と戦い続けるという決意が、バラバラに砕け散った気がした……。


……熱い。


このままなんて堪えられない。


我が物顔で、オレの穴の中を進む、ソレは、急に逆回転をはじめた。


「……っん、あっ!!」

ベッドから腰が浮く。

先端からは、先走りがトロトロと流れた。


……もっと出したい。


楽になりたい。


「かぐら……っ!!」

「ごめんね。戻ってきたら、存分に君の中に挿れてあげるよ。俺のものを……ソレよりももっと深いところまで……。

俺が戻って来る頃には、君が俺を望んでくれていることを祈っているよ」



そう言い残すと、神楽は羽織っていた黒いコートをオレの身体の上に投げた。


「かぐらああっ!! ふざけん……っぁ……っは、あっ」

神楽を責めるため、口をひらく。

だけど、オレの中を弄るソレが、動きまくる所為(せい)で喘ぎ声に変わる。

疼く身体を何とかしようと動せば、今度はオレの上に被さっている神楽のコートが擦ってくる。

その度に、オレの身体は疼きを増す。


ガチャンッ。

拷問という名の、果てしない快楽がオレをがんじがらめにする中で、鉄の扉が閉まる冷たい音が、これから起こる残酷な出来事の始まりを告げた。





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