chapter:蜜に溺れる身体 「だい……じょうぶ……」 リンはオレが同意すると、すぐに作業に取り掛かった。 まずは両手を縛りあげているロープに目をつけた。 オレの頭上に寄ってくると、鋭い牙で、ロープの結び目をちぎるように噛む。 「ん……ふっ…………」 手首を縛っているロープが擦れるたび、身体がジンジンと疼く。 リンはオレの声に反応し、苦しんでいるオレの姿を見ると戸惑うのか、鋭い牙がロープから離れた。 「りん……つづけて……おねがっ……ここ、でたい」 喘ぎを抑えた言葉は震えて何を言っているのか分からないくらい小さい。 だけど、リンはオレの言っていることを理解して目を細め、一度は離した牙が、またロープを噛む。 『解けた……』 ……いったいどれくらい経ったのだろう。 オレの両手首に繋がれていた頑丈なロープは、リンによって解かれた。 縛られたロープの赤い痕跡が手首にありありと浮かんでいる。 玉のような汗がオレの身体を蝕み、故郷の雪山を、一気に駆け抜けたような疲労感が、オレを襲う。 オレは、シーツとコートが極力、身体に擦れないよう、注意を払って起き上がった。 「んぁ…………」 だけど、やっぱり身体は布に反応し、ジクジクと疼きはじめる。 何もかもを脱ぎ捨てて、裸になりたい。 縛られているオレ自身を解放して、精を放ちたい。 |