迷える小狐に愛の手を。
第十五話





chapter:蜜に溺れる身体





ココの、唯一の出入り口である鉄の扉は、神楽によって外から鍵をかけられている。



となると、ココから逃げるなら、やっぱり、リンが入り込んだ窓しかない。

さいわい、窓はオレの身体よりもひとまわり大きい。

ココは一階みたいだから、脱出するには問題ないだろう。

オレの身体がどこまでもつか……だよな。


疼き、力が抜けるこの厄介な身体は、正直、今、前屈みになっているだけでも――呼吸をするだけでも苦しい。

だけど、そうも言ってはいられない。


オレはシーツに身体が擦れないよう、慎重にベッドから立ち上がった。


思ったより、比較的まだ動けるのは不幸中の幸いだ。


ゆき……もう一度、貴方に会いたい。


その想いだけが、オレを動かす原動力になる。


オレはリンを先に進ませると、窓の桟(さん)に手をかけ、身体を前に乗り出した。


いけるっ!!

そう思った瞬間だった。

突然、オレの穴に埋め込まれていたソレが、逆回転をはじめた。

「はぁんっ!!」

想像もしなかった刺激に、オレの身体を支える両腕の力が抜ける。

同時に、窓の桟にオレの高く反り上がった自身が食い込んだ。


「あっ、いやあああああああっ!!」

恐ろしいほどの疼きがオレを襲う。

全身に、強烈な痺れと震えが走る。


それでもオレは身体を前に倒し、桟を抜けた。


グシャッ。

大きな音と一緒に、草の緒生い茂った地面に顔面から着地する。

「……っつ……」

顔が、ジンジンする。

痛い。





- 146 -

拍手

[*前] | [次#]
ページ:

しおりを挟む | しおり一覧
表紙へ

contents

lotus bloom