chapter:蜜に溺れる身体 打ち所が悪かったのかも……。 「うう……、ってぇ……」 『兄貴……』 痛みを訴えるオレに近づき、心配そうにオレを見上げてくるリンの姿が、なんだかとても嬉しい。 オレは大丈夫だと言う代わりに苦笑を漏らし、地面から身体を起こす。 ポタ。 ……ポタ。 真っ赤な血液が、地面に滴り落ちる。 顔のどこからか出血しているらしい。 だけど今のオレには、新たに出来た傷になんかに構っている暇はない。 立ち上がれば、反り上がったモノがさっきの衝動で敏感になりすぎるくらい、疼く。 コートに当たったそれだけで、オレの身体は震え、力が抜けそうになる。 もたらされる快楽で、視界も霞んでくる。 「……っつ!!」 オレは瞬きを繰り返し、前を見据えた。 ココは人さえもいない、手入れされていない雑草が生い茂る場所。 陰湿なココは、いかにも人間を嫌う神楽が住みそうな場所だ。 だけど、いったいココはどの辺りだろうか。 見回しても、周りは深い緑ばかりだ。 まるで、小さなジャングルにでも迷い込んだみたいだ。 オレが途方に暮れていると、リンが先陣を切って歩き出す。 案内役がいてくれて助かった。 オレはおぼつかない足取りで、リンの後に続いた。 「はぁ……はぁ……」 息を切らしながら、進み続けるオレ。 視界は、緑一色の景色からやっと人間が住むような場所へと変わっていった。 |