迷える小狐に愛の手を。
第十五話





chapter:蜜に溺れる身体





だけど、やっぱり人間の姿はない。

それに、周りはボロボロのアパートばかりだ。


――神楽の住処から、いったいどのくらい歩いただろう。

もう、オレの身体は限界を迎えていた。

男根にも似たソレは、いまだにオレの内壁を弄り続けている。

それに、身体を動かせば、コートが擦れる。

紐で縛られ、イくことを禁じられたオレ自身も……もう限界だった。




ガクンッ。

強い刺激を受け続けたオレの身体が、傾く。




ドサッ。

そのまま倒れ込むようにして、オレの身体が硬い地面に打ちつけられた。


痛覚は、もうない。

あるのは、オレを絶頂へと導こうとする感覚だけ……。




「ん……はっ……」

オレの意識も、もう……消えていく……。



オレ、このまま死ぬのか……。


自分を戒めている紐さえも解く力はない。




『兄貴!!』



リンは意識が朦朧(もうろう)としているオレに駆け寄り、話しかけてくれる。


だけど……。

もう、いいかもしれない。


どうせ、オレは神楽に見つかる。

幸に会えば、幸の身に危険が及ぶ。

種族の違いや、同性への恋心は、けっして届かない。


だけど……さ、せめて……もう一度。



ゆき……。

あいたかったなぁ…………。




抗う力を失ったオレは、必死に呼びかけてくれるリンの声を聞きながら、目を閉じた。





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