迷える小狐に愛の手を。
第十七話





chapter:打ちのめされる現実





それを理解すると、幸は頃合いを見計らうかのように、鋭い犬歯を向けて襲いかかってくる。




幸……幸……。

なんでオレを抱いたんだ!?


いくらオレが望んだからって、こんな……。





「ゆきっ!! なんでっ!!」

こういう事になるって、分かっていただろう?

オレでも制御できない妖狐の力を、人間の幸が扱えるわけないじゃないか!!


だけど、幸に尋ねることができない。


だって、オレの身体の上には、大きな妖狐の姿をした幸が覆い被さっている。


前足にある鋭い爪を、オレに向けているから……。



幸は大口を開けて、鋭い犬歯を見せつけ、オレの首元を狙ってくる。


幸に殺される!!

そう思ったけれど、恐怖はない。

だって、これは自業自得だ。

オレは、神楽に植え付けられた快楽から逃げるために、幸を利用したんだから……。


「幸……ごめん。ごめんな……」

加奈子(かなこ)と両想いなのに、妖狐にさせてごめん。

オレがいて、ごめん。


オレは神楽から逃げちゃいけなかったんだ。



素直に神楽に抱かれていればよかった。

スキをついて神楽を殺せばよかった。




「ごめんな……ゆき……」

オレは目を閉じて、やってくるだろう激痛を覚悟した。



そうしたら――……。






ガッシャーーーーン!!





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