chapter:打ちのめされる現実 人間でいうなら年齢は二十六歳くらい。 赤茶色の髪で、すらりとした容姿に、象牙色の肌をした、中性的な顔立ち。 綺麗な――紅(くれない)兄ちゃんがいた。 ちょっと待って? ……ってことは、オレの目の前にいる妖狐って……。 まさか!! 「あ、暁(あかつき)兄ちゃん?」 オレの言葉に、目の前にいる狼くらいの大きさをした妖狐は、耳をヒクヒクさせて、反応した。 間違いない。 この大きい妖狐は、暁兄ちゃんだ。 「兄ちゃんっ!!」 兄ちゃん。 兄ちゃん!! 会えたことが嬉しくて、オレは紅兄ちゃんに抱きついた。 そうしたら、紅兄ちゃんもオレを抱きしめてくれる。 紅兄ちゃん、暁兄ちゃん、朱兄ちゃん。 兄ちゃんたちが来てくれた……。 そのことが、すごく嬉しかった。 「古都、俺たちが来たんだ。もう大丈夫だ。あんな妖力に乗っ取られた中途半端な人間の九尾にアカ兄には勝てっこねぇ!! すぐに息の根を止めてやれるさ」 朱兄ちゃんはそう言うと、暁兄ちゃんと対峙している幸を見た。 「だめ……殺すのはだめだ!!」 「何言ってんだ? アイツはお前を殺そうとしたんだぞ?」 「ダメ!! だって、オレがいけないんだ。オレが気を許したばっかりに……幸は、こうなることを望んでいなかったのにっ!!」 紅兄ちゃんと朱兄ちゃんが暁兄ちゃんに説得してくれるよう、オレは紅兄ちゃんに縋(すが)りつき、幸を殺さないでとお願いする。 「古都……」 |