迷える小狐に愛の手を。
第十七話





chapter:打ちのめされる現実





傷つけられたって、殺されたってかまわない。

だから幸を……助けてあげて。



殺さないで!!






『古都……分かった』


暁兄ちゃんは、必死にしがみつくオレを視界に入れると、静かにうなずいた。

それから、幸の腹目がけて、前足を思いきり打ち込んだ。



ギャンッ!!



兄ちゃんの攻撃によって、苦しげな声を上げた幸は、床に崩れ落ちた。

オレは、力なく倒れた幸へと駆け寄る。

「ごめん。幸、ごめんな……」


意識を失った幸の頭に、ほっぺたをくっつけると、あたたかな体温を感じた。


「ごめんな……ゆき……」


胸が苦しい。

幸をこんな目に遭わせてしまった自分が憎い……。


言いようのない、大きな罪悪感がオレを襲う。

胸から喉。
そして口へと込み上げてくる苦い思い。



「……っく、ゆき、ごめんっ……」

オレは嗚咽(おえつ)をもらし、静かに泣いた。





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