chapter:お日さまを失った日。 見上げれば、威厳(いげん)がある、漆黒の揺るぎない瞳をした、長身の暁兄ちゃんがいた。 暁兄ちゃんは、余分な肉付きがない頬から鋭い顎へと流れる輪郭に、鋭く射抜くような力強い一重の目。 それに高い鼻。 その下には、薄くて大きい唇。 身長も、オレより頭ふたつ分くらい高い。 男のオレから見ても、暁兄ちゃんはカッコいい。 厳格な兄の暁兄ちゃんは、人型になるとそんな感じだ。 「ううん。ここにいる」 オレは、暁兄ちゃんの言葉に、首を横に振った。 「古都……」 「ごめんね、暁兄ちゃん。オレ……幸の側にいたいんだ……」 少しだけでもいい。 幸を感じていたい。 側にいたい。 たとえ、殺されることになっても……。 「だが、古都。もうお前の知っている幸は、此処(ココ)には……」 「うん。オレがそうさせたんだ」 だから、幸に殺されるのは当たり前。 だけどね、こうなったことは後悔してない。 そう思うのは、幸の立場を考えると、ものすごく無責任だけどさ……。 でも、でもな、オレ、嬉しかった。 幸に抱かれたこと。 すごく嬉しかったんだ。 こんな勝手なオレは殺されて当たり前。 これは因果応報。 だから、べつにいい。 大好きな幸に殺されるなら、オレはそれでいい。 幸の人格を奪ったオレの、唯一の罪滅ぼしだ。 「古都、お前は……」 |