迷える小狐に愛の手を。
第十九話





chapter:お日さまを失った日。





幸から目を逸(そ)らさず、自分の感情をあらためて確認していると、暁兄ちゃんからの視線を感じた。

ここではじめて幸から暁兄ちゃんへと視線を移すと、暁兄ちゃんは眉根を寄せて苦しそうにオレを見つめていた。

オレが今から何をしようとしているのか、暁兄ちゃんにはお見通しみたいだ。


やっぱ、暁兄ちゃんはスゴイや。

オレの事、すごく理解してくれてる。


「ごめんね、兄ちゃん……」

せっかく、オレを見つけてココまで運んでくれたのに……。自分勝手でごめんね。

「……分かった」

暁兄ちゃんは、一向に首を縦に振らない頑固なオレを説得するのを諦め、紅兄ちゃんや朱(あや)兄ちゃんがいる、一階へと去って行った。


うん、ありがとう。
そしてごめんね兄ちゃん。


オレは心の中で、優しい兄ちゃんたちに謝った。


広くて寒い地下室の中でふたりきりになると、横たわっている幸の口からは苦しそうな息づかいが聞こえてきた。

気を失っていても、妖力が幸の全身を支配していっているんだ。

身体を縛られるのはすごく苦しくて辛いだろう。


「待っていて……すぐにコレ外してやるからな」

オレは苦しそうに唸っている幸に話しかけると、幸が上の階に居る兄ちゃんたちに危害を加えないよう、鉄の扉についている取っ手に、頑丈な鎖をしっかり巻きつけ、固定した。


……これでよし。





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