迷える小狐に愛の手を。
第二十話





chapter:報われない想いを抱き……。





それでまた、泣いてしまう。

「たとえ、それが神楽であっても……ね。彼も愛し方を間違えただけなんだよ」

「紅兄ちゃ……」


「それにね、古都。幸さんはすべての力を駆使してまで古都を助けたんだ。古都のことを、本当に何も思っていないのであれば、きっとこうはならなかっただろう。

古都、少なくとも、幸さんは古都に好意をもってくれているんだと、わたしはそう思うな」


好意……。

そうなのかな?

本当に?
だったらいいな。



……でも違う。

紅兄ちゃんは、幸のおおらかな性格を知らないから、そう言うんだ。

幸はいつだって、誰にだって真剣に向かっていく。

たとえ、自分が好まない相手であっても……。

顔も見たくないほど嫌いな相手でも、命を救おうと手を差し伸べる優しい人だ。


ねぇ、幸。

オレ、貴方と逢わなきゃよかったな……。

そうしたらさ、幸をこんな目に遭わせることなかったのにな。



ごめん。

ごめんな、幸……。




――その日、対神楽戦に向けてこれからどう動けばいいのかを、ご飯を食べながら兄ちゃんたちと話し合った。

とりあえずは、オレの力を受け継いだ幸に、神楽と戦ってもらうことが妥当だと、兄ちゃんたちの意見が一致した。


だけど、オレは正直反対。

だって、幸はオレに巻き込まれただけだ。

直接的に、幸は関与していない。

それに……。





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