chapter:報われない想いを抱き……。 それでまた、泣いてしまう。 「たとえ、それが神楽であっても……ね。彼も愛し方を間違えただけなんだよ」 「紅兄ちゃ……」 「それにね、古都。幸さんはすべての力を駆使してまで古都を助けたんだ。古都のことを、本当に何も思っていないのであれば、きっとこうはならなかっただろう。 古都、少なくとも、幸さんは古都に好意をもってくれているんだと、わたしはそう思うな」 好意……。 そうなのかな? 本当に? だったらいいな。 ……でも違う。 紅兄ちゃんは、幸のおおらかな性格を知らないから、そう言うんだ。 幸はいつだって、誰にだって真剣に向かっていく。 たとえ、自分が好まない相手であっても……。 顔も見たくないほど嫌いな相手でも、命を救おうと手を差し伸べる優しい人だ。 ねぇ、幸。 オレ、貴方と逢わなきゃよかったな……。 そうしたらさ、幸をこんな目に遭わせることなかったのにな。 ごめん。 ごめんな、幸……。 ――その日、対神楽戦に向けてこれからどう動けばいいのかを、ご飯を食べながら兄ちゃんたちと話し合った。 とりあえずは、オレの力を受け継いだ幸に、神楽と戦ってもらうことが妥当だと、兄ちゃんたちの意見が一致した。 だけど、オレは正直反対。 だって、幸はオレに巻き込まれただけだ。 直接的に、幸は関与していない。 それに……。 |