chapter:アクション 朝焼けの白が目にしみる。 まぶしいな……。 そう思いながら、オレは、大好きな彼を探していた。 一階の受付カウンターを横切って、二階に続く扉を開ける。 人がふたり分並んで歩けるかどうかの少し狭い階段をゆっくり上って行けば、ダイニングキッチンに続く茶色い扉がある。 キィ……。 「誰かいますか?」 ノブを回して、中を覗く。 すると、四人掛けの用のテーブルが見えた。 テーブルの上には、昨日からずっと置いてある焼き鮭が乗った皿がある。 ――ああ、あの子は昨日、何も食べていなかったのかな。 なんて思いながら、耳を澄ませば、時計の針が、カチコチと音を立てている。 誰もいないのか? 真っ白い壁に立てかけてある時計を見ると、時間は朝9時を過ぎたところだ。 いつもなら、この時間帯は二階にいて、彼は食事をしているハズだ。 だって、病院は十時に始まるのだから……。 珍しく寝坊でもしたのだろうか。 寝室がある三階に行ってみようかな。 足踏みして迷ったけれど、やはり気になるものは、気になる。 それに、一刻も早く、好きな人に会いたい。 たとえ、彼がどんな姿をしていても、好きな人には変わりはないから。 それにそれに、彼の寝ている姿も見てみたいとも思う。 綺麗な瞳を閉じ、長いまつ毛に覆われた瞼(まぶた)。 口はたぶん、うっすらと開いているだろう。 寝ているから、パジャマは少し肌蹴ているのだろうか。 |