chapter:アクション そういえば、事務室はまだ見ていなかった。 足早に、一階にある事務室へと向かった。 「先生、いますか?」 ……カチャ。 一階へと階段を一気に駆け下り、従業員しか入ることのできない扉を開けた。 すると、そこには……。 腰まである長い銀の髪をした、一見女性と見間違うくらいの、綺麗な見知らぬ男の人がいた。 金色の瞳と視線が交わると、身体が凍えたように動けなくなる。 「誰?」 声は掠(かす)れている。 自分が思ったよりも、声は小さくて、出ていなかった。 そうなったのは、目の前の男性があまりにも怖いと思ったからだ。 人間離れした髪と瞳の色は、染めているにしても、驚くほど自然なように思えた。 それがかえって恐怖というものを与えているのだろうか。 違う。そうじゃない。 彼の周囲にまとわりつく空気が冷たい鋭利な物のようだからだ。 「古都(こと)……古都をどこへやった!!」 目の前の男の人はそう言うと、距離を縮め、胸ぐらを掴んできた。 「古都……ちゃん? なんで……」 なぜ、狐の古都ちゃんを探すのか理解できなくて、震える身体を抑えて訊(たず)ねる。 男の人の言葉が理解できない。 古都くん? もしかして、あの可愛い男の子の知り合いなのかな? 茶色いふわふわの髪に、くりっとした大きな茶色い目。 高校生くらいの、女の子のような容姿をした可愛らしい男の子。 |