chapter:アクション あの子の名前も、たしか、『古都』と言っていた。 でも、古都くんは彼の従弟(いとこ)ではなかった? この人といったいどういう関係なのだろう。 「貴様!! しらばっくれるのか!!」 「なっ、何を言っているのか分からないわ!! お願い、落ち着いてくださっ」 「うるさい!! 人間の分際で俺に指図をするな!!」 男の人はそう言うと、襟元を掴んでいる手をさらに強めた。 苦しい。 息が、できない……。 意識はやがて途絶えていく。 暗闇が周囲を支配し、一寸先の光を消していく……。 「ふん、こんなものか……」 気を失う寸前、吐き捨てる男の人の声が耳に届いた。 「っ!! 加奈子(かなこ)!!」 オレは閉じていた目を開け、上にあった布団を気にせず飛び起きた。 気づけば額から顎(あご)に向かって、汗が流れている。 「ゆ……め?」 ベッドに座って窓から見える外の景色は明るく、真っ白い朝の太陽がオレを照らしている。 上がる息を押し殺して隣を見ると、ライオンのようにでかい妖狐が、オレの隣で静かに眠っていた。 ……さっきのは夢なのか? 目を擦(こす)り、こじ開けても視界は変わらない。 穏やかな朝の景色そのものだった。 何の変哲もない、静かな朝。ただの夢。 今までなら、そう感じたかもしれない。 でも……今は……。 オレが見ていたあれは、妙にリアルだった。 |