迷える小狐に愛の手を。
第二十一話





chapter:アクション





どうしても、夢だとは思えない。

加奈子と会った銀色の髪。
金の瞳の男は、間違いなく神楽(かぐら)だ。

その神楽が、加奈子を襲ったのか?


やっぱり、さっきの夢は現実なのかもしれない。
幸(ゆき)がオレの妖力を得た時、オレたちはまだ幸の家だった。

ともすれば、神楽はオレから力を奪い、襲った時の爆発的な幸の妖気に気がついたハズだ。

そしてオレの居場所がどこにあるのかも……。

そこへ、たまたま加奈子がやって来て、オレたちを追う神楽と居合わせたとすれば、考えられない話じゃない。


幸が想っている加奈子を、神楽が……。


オレのせいで、加奈子が傷つけられる。

そう思うと、胸が締めつけられる。


「……助けに行かなくちゃ!! 幸、オレ……幸の大切な女性(ひと)を助けに行ってくる。待っていてね……」

穏やかな寝息を立てている幸の耳にそっと囁(ささや)き、これが最後だからと唇を寄せる。


ピクッ。

少し耳が動いたような気がしたから、起こしてしまったのかと焦ったけど、まだ目をつむっている。


幸が目を覚ます頃には、加奈子を無事に戻すからね。


オレは決意を胸に抱き、ベッドから身体を離す。


バイバイ、幸。
元気でね。


オレは心の中で幸に『さようなら』をすると、兄ちゃんたちを起こさないよう、玄関からじゃなくって、窓から身を乗り出し、素足のまま、小さな石がたくさん転がっている土の上に着地した。





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