chapter:アクション どうしても、夢だとは思えない。 加奈子と会った銀色の髪。 金の瞳の男は、間違いなく神楽(かぐら)だ。 その神楽が、加奈子を襲ったのか? やっぱり、さっきの夢は現実なのかもしれない。 幸(ゆき)がオレの妖力を得た時、オレたちはまだ幸の家だった。 ともすれば、神楽はオレから力を奪い、襲った時の爆発的な幸の妖気に気がついたハズだ。 そしてオレの居場所がどこにあるのかも……。 そこへ、たまたま加奈子がやって来て、オレたちを追う神楽と居合わせたとすれば、考えられない話じゃない。 幸が想っている加奈子を、神楽が……。 オレのせいで、加奈子が傷つけられる。 そう思うと、胸が締めつけられる。 「……助けに行かなくちゃ!! 幸、オレ……幸の大切な女性(ひと)を助けに行ってくる。待っていてね……」 穏やかな寝息を立てている幸の耳にそっと囁(ささや)き、これが最後だからと唇を寄せる。 ピクッ。 少し耳が動いたような気がしたから、起こしてしまったのかと焦ったけど、まだ目をつむっている。 幸が目を覚ます頃には、加奈子を無事に戻すからね。 オレは決意を胸に抱き、ベッドから身体を離す。 バイバイ、幸。 元気でね。 オレは心の中で幸に『さようなら』をすると、兄ちゃんたちを起こさないよう、玄関からじゃなくって、窓から身を乗り出し、素足のまま、小さな石がたくさん転がっている土の上に着地した。 |