chapter:アクション キィ……。 扉は軋んだ音を立て、ひらく。 その音はまるで、ココで起こった出来事を暗示しているようだ。 「加奈子? 加奈子いるか?」 玄関に入った途端、リボンがついている桃色の靴が一足、目についた。 それを見た瞬間、オレの全身に悪寒が走る。 家の中からは、妖気が感じ取れた。 それに、恐ろしいほどの殺気も、だ。 「加奈子!!」 オレは、夢の中で加奈子が神楽と遭遇した、事務室へと走った。 受付カウンターが邪魔だ。 避けて走るのも面倒だ。カウンターを乗り越え、そのまま事務室へと向かう。 目的地へと近づけば近づくほど、周囲に張り巡らされている、冷たい刃のような妖気が、オレの身体を貫通する。 「加奈子!!」 事務室へと続くアコーディオンカーテンを開けると、そこには……。 何もなかった。 加奈子の姿も、神楽の姿もない。 加奈子、いったいどこに……。 そう思って周りを見渡した直後――。 「いてっ」 進む足に痛みを感じた。 見下ろせば、液体の薬が入っていた容器が粉々に砕け散っていた。 どうやら容器の破片がオレの足を傷つけたらしい。 足の裏からは少量だけど、真っ赤な血が流れている。 あ〜、これでまた朱(あや)兄ちゃんに文句言われる。 ……なんて思っていると、地面に紙が一枚、無造作に落ちていた。 拾い上げると、そこには文字が書かれていた。 |