迷える小狐に愛の手を。
第二十一話





chapter:アクション





キィ……。

扉は軋んだ音を立て、ひらく。
その音はまるで、ココで起こった出来事を暗示しているようだ。

「加奈子? 加奈子いるか?」

玄関に入った途端、リボンがついている桃色の靴が一足、目についた。

それを見た瞬間、オレの全身に悪寒が走る。


家の中からは、妖気が感じ取れた。

それに、恐ろしいほどの殺気も、だ。


「加奈子!!」

オレは、夢の中で加奈子が神楽と遭遇した、事務室へと走った。

受付カウンターが邪魔だ。

避けて走るのも面倒だ。カウンターを乗り越え、そのまま事務室へと向かう。


目的地へと近づけば近づくほど、周囲に張り巡らされている、冷たい刃のような妖気が、オレの身体を貫通する。


「加奈子!!」

事務室へと続くアコーディオンカーテンを開けると、そこには……。


何もなかった。

加奈子の姿も、神楽の姿もない。

加奈子、いったいどこに……。


そう思って周りを見渡した直後――。

「いてっ」


進む足に痛みを感じた。

見下ろせば、液体の薬が入っていた容器が粉々に砕け散っていた。

どうやら容器の破片がオレの足を傷つけたらしい。

足の裏からは少量だけど、真っ赤な血が流れている。


あ〜、これでまた朱(あや)兄ちゃんに文句言われる。

……なんて思っていると、地面に紙が一枚、無造作に落ちていた。

拾い上げると、そこには文字が書かれていた。





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