chapter:決意 違う。 違うよ、加奈子。 加奈子は、ちゃんと幸に想われている。 だから、悲しまなくていいんだ。 「オレが教えなかった。幸が……殺されたくなかったから!! 殺させないよ!!」 「ほぅ? 『殺させない』と言うことは、やはり、奴は生きているんだな。仲間が匿っているのか? 古都、お前の妖力も一定の期間を過ぎた今まで感知できなかった。それは、お前の仲間が結界を張って俺の目をくらませていたことになる……」 ぐうの根も出せないオレを見て、神楽はそれを肯定とみなした。 「ふん。古都、お前は奴に力を奪われたんだろう? お前の……強力な力を……」 「そう言う神楽も、分かってんだろ? 人間の幸は、力を上手く制御できないってことを」 「古都くん?」 オレの後ろでは、オレたちが何を言っているのか分からないだろう加奈子が、息をひそめて訊(たず)ねてくる。 ごめん。 言ってる意味が分からないよな。 今は無理だけど、きっと、幸が打ち明けてくれる時が来るから……。 幸の花嫁になる加奈子には絶対説明するから、それまで待っていてほしい。 オレはそっと唇を噛みしめ、困惑している加奈子を視界から外す。 「人間ごときに俺たちの高貴な妖力を駆使できるはずがなかろう? どうせ滅ぶ運命だ。俺がこの手で地獄に葬(ほうむ)ってやるよ」 させない。 そんなことは絶対させるもんかっ!! |