chapter:Darkness the Dark もっと……深いところに行かなきゃ。 オレは深い意識へと向かわせるため、冷たいところに感覚をもっていく……。 『――と』 『――こと』 深い闇。 暗い心。 冷たい感覚が全身にまとわりつく。 オレの意識が遠のく中で、どこからか、必死にオレを呼ぶ声が聞こえた。 『古都、こっちにおいで……』 その声はまるで、オレをまるごと包み込んでくれるような、優しいものだった。 ――それは真っ白な世界。 見上げれば、灰色の空が広がる、身も心も凍えるような、冷たい場所。 鮮血に染まった中で、聞こえたあたたかい声。 『古都はかわいいね……』 そう言って、目を細めて微笑むのは、忘れられない貴方。 目をつむっていても分かる。 暗闇から差し込む光が、オレを照らす。 ゆき……。 幸だ。 「ゆきっ!!」 『古都、古都』 声を張り上げ、オレが彼の名を呼ぶと、彼の声が少しずつ大きく響いていく。 『古都、おいで』 オレを誘う、力強くて優しい声。 ゆき、ゆきっ!! オレは頭上から差し込む光に向かって両手を広げた。 そうしたら……。 「古都」 すぐ後ろから、愛おしい彼の声が聞こえたんだ。 ゆき? 振り向くと、そこには星を散りばめた、輝く瞳の幸が立っていた。 「幸!!」 幸の姿を見てしまえばオレの足は意志とは関係なく、勝手に走り出す。 |