chapter:Darkness the Dark 「幸、幸、ゆきぃいいっ!!」 幸へと手を伸ばしたら、オレの身体が、ふんわり浮いた。 幸が、オレを掬い上げたんだ。 幸、オレね、本当はね。 ココにいたくないよ。 こんな冷たいところには、いたくないんだ。 「ゆき……幸…………いたい」 本当はね、 幸の側にいたい。 「幸、オレ、死にたくないよ!! 幸と一緒にいたい」 幸と笑い合って、言葉を交わして、ずっとずっと一緒にいたいんだ!! オレは、必死に幸の首に腕を回してしがみつく。 そうしたら、幸もオレの身体を包み込んでくれた。 あたたかくて、力強い腕がオレの背中に回る。 「幸、ゆき、ゆき……」 離れたくない。 そういう意味を込めて、幸の首に巻き付けた両腕に、力を込める。 目から溢(あふ)れる涙は大粒になって、ほっぺたを伝って止めどなく流れていく。 「帰ろう、古都」 「ふ……うぇっ……ゆきぃぃぃぃ…………」 「帰ろう、古都」 「ゆき……うええっ、うんっ、うんっ、がえりだいっ!がえるっ、ゆぎといっじょに、がえるっ!! うええええっ!!」 幸の声を聞きながら――。 あたたかな体温を感じながら――。 幸の言葉に、オレは何度もうなずいた。 |