迷える小狐に愛の手を。
第二十五話





chapter:Darkness the Dark





「幸、幸、ゆきぃいいっ!!」

幸へと手を伸ばしたら、オレの身体が、ふんわり浮いた。

幸が、オレを掬い上げたんだ。


幸、オレね、本当はね。

ココにいたくないよ。

こんな冷たいところには、いたくないんだ。

「ゆき……幸…………いたい」


本当はね、

幸の側にいたい。


「幸、オレ、死にたくないよ!! 幸と一緒にいたい」


幸と笑い合って、言葉を交わして、ずっとずっと一緒にいたいんだ!!


オレは、必死に幸の首に腕を回してしがみつく。

そうしたら、幸もオレの身体を包み込んでくれた。


あたたかくて、力強い腕がオレの背中に回る。


「幸、ゆき、ゆき……」


離れたくない。

そういう意味を込めて、幸の首に巻き付けた両腕に、力を込める。


目から溢(あふ)れる涙は大粒になって、ほっぺたを伝って止めどなく流れていく。


「帰ろう、古都」

「ふ……うぇっ……ゆきぃぃぃぃ…………」


「帰ろう、古都」

「ゆき……うええっ、うんっ、うんっ、がえりだいっ!がえるっ、ゆぎといっじょに、がえるっ!! うええええっ!!」


幸の声を聞きながら――。

あたたかな体温を感じながら――。

幸の言葉に、オレは何度もうなずいた。





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