chapter:想い遙かに、忍ぶ恋 「幸、お前何考えてんだよ!! 言えばいいじゃん、好きだって!! 幸に抱かれたんなら、きっとその人も幸のこと、好きだと思ってるハズだ!!」 オレの心は、もう我慢の限界だった。 目から溢れた涙が、勢いよく零れ落ちていく……。 やばい。 やばいやばいやばい。 早く止めなきゃ……。 ゴシゴシ、ゴシゴシ。 目を、腕で強く擦る。 だけど、ダメなんだ。 涙……止まらない。 「古都? 泣かないで……」 「っつ!!」 何が……何が、『泣かないで』だよ!! オレのこと、馬鹿(ばか)にしてるのか? 「ふざけんなっ!! オレは……オレだって……幸のこと、好きなのに、なんで幸が想っているヤツのことを聞かなきゃなんないの? ふざけんなよ!!」 幸に振られたという悲しみと、眼中に置いてくれない怒りが、胸の中でごちゃ混ぜになった。 目の前にある幸の胸を、拳で何度も叩く。 幸はひどい。 オレとのこと、何もなかったようにして好きな人のことを話すなんてズルい!! 「古都、古都落ち着いて……傷にひびく」 どれだけ幸を叩いただろう。 幸はオレの両手を掴み、平然とした顔で見つめてくる。 「んだよソレ!! オレがどういう気持ちで身を引いたか分かるか? ココからいなくなろうって思ったのにさ……もう……やだっ!!」 そして、オレはとうとう泣きじゃくりはじめるんだ。 |