迷える小狐に愛の手を。
最終話





chapter:想い遙かに、忍ぶ恋





「いや、聞きたくない!! いやっ!!」

オレは幸を拒否するため、両手で耳を塞いだ。

同時に、オレの身体がベッドに押し倒される。

「んんぅうっ!!」

ついでに口も何かに塞がれてしまった。

口で息もできなくて目を開けると、目の前にあるのは幸の顔のドアップだ。

「ん……ゆっ……!!」

なんとか踏ん張って目の前にいる幸の胸を押すと、押し付けられた唇が離れた。

オレ……幸にキスされたんだ。


だけど、なんで?

意味が分からなくって、幸を見ると、幸もオレを見下ろしていた。

「古都、俺が君を避けていた理由はね、君を奪ってしまいそうだったからだよ?」

えっ?

ナ……ニ…………?

「なにを言って……」

「古都を嫌っているんじゃなくってね、むしろ誘惑に負けそうになるのを必死に堪(た)えていただけなんだよ」

ゆき?

幸はオレを嫌っていない?

でも誘惑……って……なに?

「発情期からかな、君から放たれる甘い香りが分かるようになったんだ。その香りは俺の頭を麻痺させ、魅了してきた。君は俺を誘惑してきたんだよ……」

香り?

オレの?

「オレ……香水なんてつけてない……」


「うん、知っている。多分、君の発情期と関係があるのかな? 花嫁を探す時、妖狐たちはどうやって探すのかな?」

「えっ? あ、えっと……匂いを感じるんだって、暁兄ちゃんが言って……あ、え? アレ?」





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